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古橋 晃; 松本 圭司*; 大部 誠
日本原子力学会誌, 2(7), P. 394, 1960/00
原子炉体系における中性子のエネルギー分布を測定する手段の一つとして、いわゆる共鳴箔のカドミウム比によって熱外領域の中性子束の大きさを知ろうとする方法がひろく用いられる。このとき通常用いられる程度の厚さの箔では、中性子に対する箔の自己遮蔽効果や放射能の箔内自己吸収効果が相当きいてくるので、カドミウム比が箔の厚さによっていちじるしく変化し、箔の厚さを指定しなければカドミウム比の意味がなくなる。この論文ではGreenfieldがインジウム箔について行なったと同様の方法で、金箔の場合について、有限な厚さの箔で測定値を厚さ0の理想箔での値に換算するための補正係数を決定した結果およびその係数の物理的な内容に関する若干の考察を記した。またJRR-1炉心内での測定の結果、全熱外中性子密度とマクスウェル部分の中性子密度との比として0.11という値を得た。